コラム〜と麦

他分野で活躍する各業界のエキスパートが其々の目線で麦を語ります。

麦についてのあれこれ

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奥田真希 株式会社マキコミ(代表取締役|PRプランナー)

麦についてのあれこれを書いてみることになりました。

ファッションやカルチャー系のお仕事をしている私に?なんで??って今でも疑問が消えないのですが、ブランディングに寄与するイベントなどを企画したり、PRしたりしているので、ざっくりと、麦ってなんだろねー、ってことを、成分や美味しさ以外のところからつらつらと考えてみたいなって思いました。実際のところはお仕事の内容は関係なくて、食いしん坊だから来たお仕事っぽいんですけどね。

今回は、麦が持つ、イメージの多様性、ダイバーシティについて、つらつらします。

食材としては非常に身近なのに、化けるのがうまくて、麦のイメージって一言にするのはちょっと難しい。ビール、焼酎、麦茶、パン、うどん、パスタ・・・ってどんだけの拡がりなのかと。
実際のところはお米にも、日本酒、どぶろく、玄米茶、という拡がりはあるのですが、主食カテゴリのバリエーションがそれほどないからか、お米はお米!っていうイメージ、ですよね。
白くて、モチモチしていて、エネルギーの源?
お茶碗にこんもり盛られたホカホカのやつ。
おばあちゃんがおやつに握ってくれたおにぎり。
お米で連想ゲームしたら、チャーハンなんかは出現率が低そう。
想起されるものに大きなブレはないんじゃないのかなと。

でも、「麦についてどのようなイメージを持ちますか?」っていう調査をしたら票が割れそうな気がします。
麦の粒をイメージしてそこから生まれる印象を答える人もいるだろうし、加工品をイメージすると、パスタの無限ラインナップとか、うどんのコシ強系、とかパンのフワフワさ、とかとか、とにかく麦から生まれるイメージは無限だなぁと。でも、それも、「よくよく考えてみると」って感じだったんですよね。

そんなことから麦に興味をもったのが数年前。大麦も小麦も加工品以外では縁遠いな、と思っていたのですが、大宮に地産地消のビストロがあって、そこで出てきた大麦のサラダがとっても美味しかったのです。で、大麦も我が家の台所のスタメン入りをすることになったのでした。

そこから、「もうなんだよ、知れば知るほど超複雑じゃん、麦!!」という麦ラビリンスに。

大麦、小麦、っていう大項目に加えて、大麦なんて、形を留めている状態でも加工によって名称も変わる。押し麦、もち麦、丸麦などなど。

逸脱しますけど、ハトムギって麦じゃないって最近知りました。紛らわしいな。
そしてハトムギの英語名がJob’s tearsってことも初めて知りました。ワイン(ラクリマクリスティ)はキリストの涙、ハトムギはヨブの涙。ちょっとしょっぱいイメージを持ってしまったのでハトムギ化粧水を舐めてみました。甘かったです。「ヨブ」さんを「Jobジョブ」って読み間違えると、仕事の涙となり、もっとしょっぱい気分になります。

戻りまして、そう、種類も、加工もバリエーションがありすぎて、玄米、分搗き、白米ってうお米のバリエーションを遥かに凌駕します。
未だに正しく理解できているのかはわかりませんが、色々食べた結果、今のところは、大麦は押し麦がスキです。納豆を乗せる主食は、白米でもなく、玄米でもなく、海苔を敷いたトーストでもなく、押し麦100%です。麦のモチモチと納豆のつぶつぶのコンビネーションが最高です。

押しやら丸やら粒やらもちやらっていう大麦の精麦種類だけじゃなくて、
イメージがバラける理由は他にもありそうな。
お米に比べると、大麦・小麦ともに、品種名の認知が低い気がします(主観ですけどね。)
お米は多くの品種でTVCMをやっているから、お米の品種の認知度が高いということもあるかもしれません。
ということで比較も兼ねて、お米も含めて、ネーミングから麦のイメージを絞り込めないかなと、いくつかの品種を並べてみます。

小麦の品種は、ハルユタカ、ゆめちから、春よ恋、はるきらり、キタノカオリ、きたほなみ
大麦の品種は、スカイゴールデン、ミハルゴールド、ファイバースノウ、ビューファイバー、
参考までにお米の品種は、ゆめぴかり、ななつぼし、つや姫、きらら397

と、
お米は新品種になればなるほど、とにかくツヤ押し。
小麦は、北の大地のスケール感というか豊穣感押し。
大麦は、とにかく語感が強そうな名前ばっかり。硬派ですねー。ビール系の品種はとにかく金!りんごの品種かっていうくらい、とにかくピカピカ。食べる方はヘルシー志向の繊維押し。

品種から覚えてお気に入りを作っていくのも楽しそうなので、精麦の好みの次は、ブランド切りで色々試していきたいとおもいます。

小麦の品種で、福井県大3号なんていう品種もありました。
ネーミング雑ですね。
悩みに悩んで決まらなかったのか、どうしても産地押ししたかったのか、最終何号までいけるのかチャレンジしているのか、それともパッケージ化されることを全く想定していないのか。この品種を長期的に育てる気があるのかしら、と思っていたところ、
全国農業改良普及支援協会のHPでは、
「福井県大3号」小麦粉 100%で、フランス産小麦粉やカナダ産小麦粉 のフランスパンと同程度のボリュームのフランスパンを焼くことが可能である。
という記載がありました。予想外に伸びしろがありそうな品種でした。このエピソード強い!!
とはいえ、とはいえ。福井大3号、何が大なのか、1号2号との違いは何なのか、気になりすぎます。でも、スーパーの店頭に並べることを考えたらもう少しお料理好きさん達がビビビと来そうなネーミングで上市してもらいたいです。

今回は、麦そのもののイメージでつらつらしました。

さて、明日、どんな麦を食べますか?
私は、鯖江で買ったお箸を使って、納豆麦飯を食べます。食べるのは大麦だけど、福井大3号が忘れられなくて。家にある福井の痕跡を探したら鯖江の漆しかありませんでした。

次は、麦に関するゲイジュツでつらつらします。

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