皆さん、こんにちは。
元コーヒー嫌いのバリスタ 「ぎっさん」こと、柳 隆晴と申します。
前回の記事では、私が働いている職場のこと。パンに使われている小麦のことについて主にご紹介させていただきました。
もう読んでいただけましたでしょうか?
ですが、そもそも「柳隆晴ってどんな人間やねん?」
何も自己紹介しておりませんでした。
今回の記事では
- 自分がどういう人間なのか
- 自分がしている”バリスタ”というお仕事について
- パンとコーヒーのフードペアリング
この3つを中心に書いていきたいと思っています。
柳隆晴ってどんな人?
冒頭にも書きましたが「元コーヒー嫌いのバリスタ」という肩書きで活動をさせていただいております。この自己紹介をすると
「面白いですね!」
「なんでコーヒー嫌いなのにバリスタなんですか?」
興味をもっていただけることが多く、この肩書きは個人的にとても気に入っています笑。
そんな私ですが、バリスタとしてカフェで働くようになったキッカケは高校時代まで遡ります。
私が通っていた高校は男子校で、しかも田舎の畑のど真ん中にあるような学校でした。
当たり前ですが、女子は全くいないし、田舎なので周りに何もない環境でした。
高校時代って、一般的に青春といいますか、楽しいことがいっぱいあってキラキラしていて、かけがえのない時間だと思うんです。
でも、自分はそういう楽しいことを全くやっておらず、ただ学校にいって授業を受け、終わったら真っ直ぐ家に帰る。全く華のない3年間を過ごしていました。
部活もやっていなかったですし、とにかく友だちが全然いなかったです。
今思えば、そういう環境にいたので、自分の中で殻に閉じこもってしまい、高校生活を自分から楽しもうとしていなかったのだと思います。
そのような状態で高校を卒業。大学受験にも失敗してしまい、1年間浪人生活を過ごしました。ここでも、予備校と家の往復で友だちも全くできず。
高校、浪人時代の4年間。
自分の中では、暗黒の4年間と呼んでいます笑。
無事に大学に入学することができ、これからやっと楽しいことが待っている!
そう期待をしていたのですが、現実は甘くありませんでした。
理工学部の電気科というところにいたのですが、学年に女子が数人しかいなかったんです。
男子が170人くらいに対し、確か女子が7人しかいませんでした笑。
しかも、過去の4年間で人とほとんど関わっていなかったので、人と接することが苦手になってしまっていました。
憧れの大学生活も、このまま暗黒のまま終わってしまうのか…
そう思っていたときに、突然転機が訪れます。
たまたま地元の知り合いに連れていってもらったスターバックスでの出来事です。
当時は、スターバックスは日本に200店舗くらいしかなく、まだまだ珍しい状態でした。
もちろん、私もスタバの存在なんて知りませんでしたし、そもそもカフェなんてほとんど行ったことがありませんでした。
それ以前に、コーヒー自体が苦手で、高校時代に缶コーヒーを飲んだときにお腹をありえないくらい壊してしまったことがあって、それ以来トラウマみたいになってしまっていたのです。
でも、どうしても付きあって欲しいということで、初めて訪れたスターバックス。
お店に入ってみて、とても衝撃を受けたのを今でも覚えています。
店内がブラック基調でカッコいい。
スタッフの方が活き活きを働いていて、これまたカッコいい。
メニュー、ディスプレイなど、とにかくなんでもカッコいい。
とにかく一度も経験したことがないカッコ良さが、その空間の中に全て詰め込まれていたのです。
働いているスタッフもキラキラしていて、自分がいる世界とは真逆の世界がそこには広がっていました。
そのときに、率直に
「ここで働きたい。ここで働いたらこの人たちみたいになれるかも」
とにかく、今の自分を変えたい!そういう気持ちが純粋に芽生えたんです。
ご縁があって、学校の近くにあった店舗に採用され、スタバで働き始めることができました。それから、何だかんだで10年間ほどスタバにはお世話になっておりました。
ここからバリスタになるまでには、また色々あったのですが長くなってしまうので今回はこの辺りで。
バリスタのお仕事について
今でこそバリスタという言葉を色々なところで耳にするようになりましたが、少し前までは「仕事はバリスタです」と言っても通じないことが多かったです。
これからもっとバリスタのことを1人でも多くの方に知ってもらうために頑張らないといけないと思っています。
では、そもそもバリスタってどんなお仕事なのでしょうか?
明確に答えられる方って少ないと思います。
バリスタはイタリア発祥の職業で、バールのカウンターに立ち、客からの注文を受けてエスプレッソをはじめとするコーヒーを淹れる職業、及びその職業についている人物。 イタリアのバールには喫茶店やカフェとしての特徴があります。
日本では、私が以前働いていたスターバックスのスタッフのことを「バリスタ」と呼んでいたので、スタバの普及につれてバリスタという言葉が広まっていったと推測しております。
ただ、コーヒーを淹れていれば誰でもバリスタという訳ではなく、例えば全自動のコーヒーマシンで淹れているような人たちはバリスタとは呼べないのかなと思います。
セミオートという、自分の手でエスプレッソを淹れる、ミルクを温める。
ハンドドリップなどでコーヒーを淹れる。
もちろん、一定以上のクオリティで。
これらの人たちのことを「バリスタ」と呼ぶと自分は思っています。
つまり、バリスタは技術職の1つです。
パンとコーヒーのフードペアリング
ここまで、私の自己紹介。バリスタについて書かせていただきました。
いかがでしたか?
バリスタはコーヒーを淹れてサービスするのがメインのお仕事ですが、コーヒーをより楽しむためにはどうすれば良いか?お客様に、今よりもコーヒーを楽しんでいただく方法を提案するのも大切な仕事の1つです。
コーヒー単体で楽しむ方も多いと思いますが、ケーキや食事などと合わせて楽しむ方もたくさんいらっしゃると思うのです。
今回、私がパン屋で働いていることもあり、パンとコーヒーのフードペアリングについていくつかご紹介させていただこうと思っています。
1.食パン
食パンは、パンの中では王道だと思うのですが、ほのかな甘さと香ばしさがあるのが特徴だと思います。そのような食パンには、個人的には酸味と苦味のバランスがとれた中煎りの中南米のコーヒーが合うと思います。
酸味や苦味が強すぎると、コーヒーの個性が強すぎて口の中でケンカしそうな気がするためです。
トーストにジャムやバターなどを塗る場合は、また相性の良いコーヒーは変わってくると思います。
ベリーや柑橘系のジャムなら、ケニアやエチオピアのフルーティーなコーヒー。
たっぷりバターを塗るなら、深煎りの苦めのコーヒーとの相性が良さそうです。
2.野菜を使ったサンドイッチ
野菜の種類にもよりますが、深煎りの苦味が強いものより、浅〜中煎りの軽めのコーヒーの方が相性が良いと思います。
野菜は水々しいので、ほのかに酸味があって軽やかなものの方が美味しく合わせられると個人的には思っています。
3.お肉やチーズなどを使った惣菜パン
お肉やチーズは味が濃いめでコクが強いものが多いので、コーヒーも負けないくらいコクがしっかりしたものが良いと思います。
中〜深煎りで、インドネシアなど、アジアのコーヒーとの相性が良さそうです。
4.フルーツを使ったもの
上記のジャムのところでも出てきましたが、フルーティーなケニアやエチオピアなどのアフリカのコーヒーと合わせると良いと思います。
また、フルーツサンドなど、生クリームも一緒に添えてある場合は、ケニアやエチオピアでも深煎りのものを選んであげると、より美味しく味わえるかもしれません。
まとめると、使われているパンや食材のコクや酸味の強さ、風味が似ているコーヒーを選んであげると、大外しをすることは絶対にないです。
単体でももちもん美味しいですが、相性の良いものを合わせることで何倍にも美味しさが広がってくると思いますし、新しい発見もあって、よりパンやコーヒーが好きになると思います。
ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです。
最後に
私はバリスタとして活動するうえで大切にしていることがあります。
それは「コーヒーの裾野を広げたい」ということです。
コーヒーって難しい、敷居が高いイメージがありますが、全くそのようなことはありません。もっと気軽に楽しめるものだと思っています。
堅苦しいことを考えず、美味しいパンと合わせたりして自分の好きなように楽しむ。
それくらいのスタンスで良いのです。
だから、コーヒー初心者に寄り添えるような発信をこれからも心がけていきたいですし、私の発信を見て少しでもコーヒー好きの輪が広がっていけばこれ以上嬉しいことはありません。
コーヒーと、とても相性の良い小麦。
今後も“国産の麦”に注目して応援していきたいなと思っております。
長文になりましたが、最後までご覧いただき本当にありがとうございました。