こんにちは、餃子研究家です。
美味しくて楽しい「餃子」を日々研究しています。餃子のレシピを考えて、餃子をつくって、餃子を食べたり皆さんに食べていただいたりしています。
前回のコラムで、「餃子」の定義を考えてみたら、「餃子」と『麦』には深いカンケイがあること、そのカンケイは『麦』の多様性、汎用性に起因することが分かりました。
『麦』の楽しみ方として、「餃子」を提案
『麦』はどんな食材にも、どんな調理方法にもマッチする、スゴイやつ、です。今回はそんな“スゴイやつ”な『麦』の楽しみ方のひとつとして「餃子」を提案したいと思います。
「餃子」とは「小麦粉の皮で食材を包み(またはくるみ)、調理(焼く、茹でる、蒸す、揚げるなど)したものです(前回のコラム参照)。つまり、小麦粉「×食材」「×調理方法」で様々な「餃子」ができます(可能性は∞!)。
小麦粉「×食材」「×調理方法」で様々な「餃子」をつくってみたら、食材の新たな魅力に気が付いたり、料理が面白くなったり、そして誰かとの食事がより楽しくなったり、毎日の生活のちょっとした彩りになるかもしれません。小麦粉「×食材」「×調理方法」で、美味しくて楽しい「餃子」をつくりましょう!
美味しくて楽しい餃子とは
その例として、「餃子研究家的美味しくて楽しい餃子」を紹介したいと思います。
餃子研究家の美味しくて楽しい餃子づくりのコンセプトは3つです、1.旬の食材を使う、2.お酒に合う、3.サプライズ感がある、です。何とも唐突で統一感のないテーマですが餃子研究家的にはそれぞれに理由があるのです。
旬の食材を使うワケ
旬の食材は、暑い寒いなど気候の変化、つまり季節の移り変わりに合わせて成長し、収穫されます。旬の時期、最も成熟した時期に収穫された食材は、素材の味が濃く、旨味や香りがとても豊かで、特に美味しく栄養価も高くなります。
春の野菜は、ビタミンや食物繊維が豊富で、冬の間に体にたまった老廃物を排出してくれる効果が期待できます。夏の野菜は、暑い夏を乗り切るために、体を冷やしたり、食欲増進したりする効果があります。また、寒くなる秋から冬の季節に旬を迎える根菜類には、体を温めてくれる効果があります。つまり、旬の食材はその季節に体が欲する食材なのです。
そんな旬の食材を使って、体が喜ぶ、私たちが元気になる「餃子」をつくりたいのです。
例えば、春の季節に旬を迎える「筍」。
その筍を使って餃子を作ってみました。
筍のジェノベーゼ餃子です。
筍とお魚(お好きな白身魚)をソテーして、小麦粉の皮で包んで、焼きます。そして、最後にジェノベーゼソースをかけていただきます。
小麦粉「×筍」「×焼く」でつくる、美味しくて楽しい、さらに体も喜ぶ「餃子」です。
お酒に合わせるワケ
皆さんは「餃子」には不思議な力があることをご存知でしょうか。餃子には、人と一緒に食べるとより仲良くなる、という不思議パワーがあります(…私はあると信じています)。
みんなでひとつのテーブルを囲み「餃子」を食べることで、他の料理に比べて、よりコミュニケーションが円滑になり、気が付いたら何だかより仲良くなっているような気がするのです。これは、中国で餃子が、春節や結婚式などのお祝いの席や親戚の集まりなどで食べられる、おめでたい料理とされていることとも、なんだか通じるようにも思います。
そんな「餃子」を、大人のコミュニケーションツールのひとつであるお酒と合わせたら、より楽しくなるのではないか、と考えました。適量のお酒は時に心をほぐし、お酒を楽しむ時間は気分転換の時間にもなると思うのです(もちろん、飲みすぎは体に良くありませんし、お酒が飲めない体質の方もいますから、あくまで、そんな面もあるということで)。お酒を飲んでリラックスしながら餃子を食べたら、楽しい時間をつくり出す「餃子」の不思議パワーもより強力なものになるのではないでしょうか。
そんなお酒に合う、心が喜ぶ、私たちが元気になる「餃子」を作りたいのです。
例えば、ワインに合う餃子を作ってみました。使う食材は、牡蠣とほうれん草です。
牡蠣とほうれん草のクリーム餃子です。
牡蠣とほうれん草を牛乳と生クリームで煮たものを、小麦粉の皮で包んで、蒸します。そのままか、黒胡椒を振ったりオリーブオイルを少々垂らしたりしていただきます。
小麦粉「×牡蠣、ほうれん草」「×蒸す」でつくる、美味しくて楽しい、心も喜ぶ「餃子」です。
サプライズ感のワケ
「美味しくて楽しい餃子」をモットーにしているのですが、具体的に楽しいってどんなだろうと考えた時に、意外性、サプライズ感があれば楽しくなるのでは!と考えつきました(意外な驚きがあったら、なんだか楽しく感じませんか)。
そこで、餃子ではない料理を「餃子」に変身させることを思いつきました。目指すは「餃子」なのに「〇〇」!という驚きと、そこから生まれる面白さ、そして楽しさです。
そんな意外性があって面白い、私たちが笑顔になる「餃子」を作りたいのです。
例えば、ピッツァ・マルゲリータを餃子にしてみました。
使う食材は、モッツァレラチーズ、バジル、トマトです。
マルゲリータ餃子です。
モッツァレラチーズとバジルとトマトソースを、小麦粉の皮で包んで、焼きます。そして、バジルとトマトをトッピングして、オリーブオイルを回しかけていただきます。
小麦粉「×モッツァレラチーズ、バジル、トマト」「×焼く」でつくる、美味しくて楽しい、笑顔になる「餃子」です。
以上、3つのコンセプトでつくる「餃子研究家的楽しくて美味しい餃子」のご紹介でした。もちろん、ここでは紹介しきれない「餃子」がまだまだたくさんあります。
麦の楽しみ方
このように、小麦粉「×食材」「×調理方法」で様々な「餃子」をつくることができます。それを可能にしているのは『麦』のもつ多様性、汎用性です。改めて、『麦』ってなんてスゴイやつ!
食べると体も心も元気になる「餃子」をつくり、“スゴイやつ”な『麦』を楽しむことで、私たちの毎日の生活の中にちょっとでも笑顔が増えたらいいなぁ、なんて思っています。
皆さんもどうぞ楽しい「餃子」ライフを、いえ、『麦』ライフを!